ブラック企業で働く <体験談>
私が旅行代理店に勤務していた時の話です。
旅行会社で働くことに憧れ、周囲に反対されていましたが、夢を捨てきれず今の会社に入社しました。
念願の仕事ができてうれしかったので、かなり毎日慌ただしく忙しかったのですが、始めの頃は弱音は吐かず頑張りました。
しかし、次第に憧れと現実のギャップの大きさに気ずき始めたのです。
先輩達は仕事をきちんと教えてはくれず雑務を押し付けてきたり、かなりの激務を感じ始め失望さえしました。
給与は残業しているのに、残業代は殆どつかず手取り12万取れればいい方で、毎月5万6千円の家賃と1万2千円の光熱費を払ったら、自分の好きな趣味に使えるお金なんてないですし、結婚して子供を養うことなんてとても考えられません。
驚くぐらいボーナスも安いですよ。
40代、50代になっても年収は低いままで、全産業と比べても平均は相当下回っています。
福利厚生などの待遇面も恥ずかしものありました。ほかの会社と比較すると半分以下でした。
退職金や年金額も気の毒になるくらい低いです。
上司や先輩達は、自分たちの業績ばかり気にして、私に悩みがあっても、本気で話を聞いてくれようとはしませんでした。
休日も土日は絶対に休めませんし、一ヶ月に一回2連休もらえればいい方です。
社員旅行は積立金なので実費。
1年に一回6~7日の長期休暇が取れますが、決まって海外旅行に行く流れなので、私のこの給料ではけっこう出費が痛いです。
でも、私が勤めていた旅行会社はまだいい方だと思います。
一緒に働いていた同僚の話では、ひどい旅行会社は、実質、月に1日しか休めない社員もザラ毎日プラス5時間の残業はほぼあたりまえ、しかも、勤怠システムのステータスを退社にして、残業時間の長さを上司に指摘されないようにしなくてはならないのです。
毎日あくせく働きほとんどの社員は疲労しきってみんなヘトヘトで、イライラして、分からないことがあっても疲れている先輩に、新入りは質問できない、仕事でミスをすれば、上司に激怒、ものに八つ当たりし、椅子や壁を殴ります。
このような最悪な労働環境で上司や先輩の余裕がない背中を見ると、未来の自分をみたのかもしれないと、お先真っ暗になるという話を聞きました。
ホテル業界
ホテルマンになることが夢だったのでドラマとかリッツカールトンホテルの本を読んでいました。お客さんの役に立てる仕事がしたいと思った私は、大学を卒業して、ホテル業界に入りました。
フロント係の仕事をした後に、ドアマン、ベルボーイの仕事を任されたのですが、意識の高いお客さんの相手をしているうちに、だんだんギスギスと限界がきていたみたいで、精神的にまいってしまい、ただ、ダラダラ拘束され働いた挙句に、プライベートや遊ぶ暇もなく、次第にストレスが溜まって、仕事を続けられなくなってしまいました。
タフな仕事でお客さんの役に立ちたいみたいな考え方をし、そういった理由でホテルマンになったから、気ずかないうちに限界がきて、結局退職しなければならないなんて、悔しかったです。
ホテル業界に入社しても、しつけとか、かなり厳しい現実が待っていて、結局3年以上続けられる人は多くはいないと思います。
全体の離職率は50%以上でブラックで有名な飲食業界と匹敵しています。
ホテル業界のアルバイトは時給平均1000円です。ブラックバイトで厳しくこきつかわれるより、コンビニとかで時給1000円で使われていたり、工場系の派遣で働いていた方がいいですね。時給1300円はもらえますよ。
外食産業
日本では特殊で異様な外食形態の一つであるファミレスチェーンは、安くてお手軽にさまざまなメニューを楽しむことができます。
1970年代から始まり、不況とデフレ経済の中で発展を遂げた、日本独特のファミレス産業です。
学生や家族、一般庶民や労働者が気軽に食事をできる場所です。
アメリカやヨーロッパでは、レストランは、高いお金を払って利用するという社会通念があり、ランチは1人3000円、ディナーは5000円というのがレストラン外食の料金です。
価格帯、食事のマナーの敷居は高く、お金持ちの成功者が利用する場所、上流階級の人達、もしくは、タキシード、礼服などを着て、イベントに出席するような感じとして利用される場です。
それが欧米におけるレストランの概念なのです。
お客さんは神様です、の精神で日本のレストランで働く低時給のアルバイトは、外国の高級レストラン並みに接客サービスの質が高く、日本に来た外国人はカルチャーショックをうけます。
なぜ低価格レストラン形態が運営可能かというと、低賃金で働くことができる若者のフリーターや学生バイトの需要が多かったからです。
欧米では高校を卒業したら自分でお金を稼ぐという価値観が当たり前で、親に依存せず、若いうちから自立の意識を持ち、自立しなければならないという風習があります。
低賃金で働くという、自活不可能な選択は初めからしません。
日本の食料自給率は4割を切り非常に低く、大部分を高い輸送コストを掛け輸入しています。野菜、精肉、青果の価格は高いといえるでしょう。
食材費がコストで上乗せされて、高価格な日本の外食産業が、低価格での外食サービスをここまで実現できたのは、ひとえにセントラルキッチン方式のおかげと言えるでしょう。
複数のメニューを集中調理室で調理しチェーン店舗に配送する、業務効率化低賃金で労働者を使用してコストを削減、これによって、低価格の外食サービスを実現することができたのです。
安価な労働力、非正規従業員の存在を経営の全提としているので、労働者の供給が途切れてしまうと、責任を負わなければならなくなり、正社員に大きな負担がかかります。
若者の減少、少子高齢化を原因とし、更なるブラック業界を作り上げているのです。
不動産
私は、地域密着型の不動産屋で働いています。
主な仕事内容は、賃貸の入居申込書への記入、お客さんへのお茶出し、家財保険の手続き空き物件の写真撮影、管理物件の見回り、家賃送金手配、大屋さんへの毎月の家賃の支払い、問い合わせに対する電話対応、チラシの整理。
物件の図面をFAXで送る、WEBで物件情報の登録、店頭広告の作成、物件の募集中、売却中かどうかの問い合わせ対応。
繁忙期になると営業の人は出回る機会が多くなるので案内代行などをしていました。
事務の仕事でこれだけの仕事をさせられて時給870円は割りに合わないと思いました。
重要な顧客の仕事を任されて、ミスをすれば即、退職しなければいけないという緊張感をいつも持ちながら仕事をしていたせいか、毎日の日常の疲れは溜まっていく一方で、ストレスを抱え周囲の人達にも、迷惑をかけているのではないかと、不安になります。
休みも2日続けて取れるのは隔週だったり、月に一度なんです。
私の会社は社長様という感じで、もしも、嫌われるようなことがあれば、最後です。
建設会社
知人の紹介で、建設会社に就職しました。
建設会社というと、荒々しい人が多いかなと思っていたのですが、その会社は、みんな自由に仕事をしているという雰囲気があって、私は、安心していたんです。
でも、月日が立ち、慣れてくるにつれて、ブラック企業と思える節が見えてきたんです。
就業時間は朝9時からなのに8時出勤で夜中24時まではザラです。
毎日寝不足で、ひどい時は夜中の3時まで働いていました。そのせいで、体調をくずしてしまい、職場と病院通いの日々です。
交通費と残業代も何割しかもらえなく、会社の業績が悪ければ支給されません。
2週間ごとに1日休みをもらえるぐらいで、明日も仕事お願いしますと頼まれたら、イヤとは言えないので、泣く泣く出勤しなければなりません。
休暇届を出しても、周りに陰口を言われ、頼まれれば、何もかも、断ることは許されないといった状態です。
最悪な状況が続いて大病を患っている人もいました。、入院中に上司がお見舞いに来て、休まれたら困る、「体調管理はしっかり」と言われ、その人は、冷たくあしらわれました。
このようなブラックの会社では長続きしないと思い、転職しようと思いますが、転職しようにも、あまりにも忙し過ぎて時間がありません。
病気になる前に辞めたいです。
ベンチャー企業
難関と言われれる大学を卒業した私は、苦労せず簡単に、従業員60人ほどいるベンチャー企業に就職することができました。
仕事内容はコンサルティングアイディアの営業だったのですが、先輩達も新入社員には親切に教えてくれるという、話を聞いていたので入社後の心配はしていませんでした。
しかし、実際に、丁寧に教えてくれることはありませんでした。
「マニュアル通りにすれば分からないことはないでしょ」 と叱られてしまい、3センチぐらいのぶ厚い本を渡されて、「はい」と答えるしかありませんでした。
だんだんと疑問が浮かんで、オカシイと思いはじめたのが、2日目、同じ時期に5人ほど入社して2人4人と会社から人がいなくなっていきました。
人脈をつくる精をだせるように精力剤を強引に飲まされたりもしました、ノルマを達成できない分は給料から引かれていき、馬車馬というかもう人生を棒に振っているのではないかという気にさせられました。
長く働いている上司に自分の業績を自慢するようなことを言われ、自分勝手で、自己中心的な上司に絶えられず、会社を辞める決断をしました。
このようなブラックな会社に再就職はしたくないです。